70代前半くらいのおじいさん。
コーヒーでも、と誘われて駅近くのガストへ。
なんだかとてもお話したかったみたい。
歯が何本か抜けてしまって話しにくそうだったけど、目をキラキラさせて話してくれた。
そのおじいさんは、金沢の芸術大学を卒業されてから8年くらい造形作家を目指していたけど、そのうち役所に勤めるようになって創作はしばらく止めてしまっていた。
定年退職した後に一番好きな油絵を始めて、それから都内のM美術大学に入学して4年間通ったらしい。
その絵をやりたいって気持ちと行動力、すごい!と思った。
退職した後、他にも、大好きな釣りをしに夏は東北の山にキャンプを張ったり、おうちでは盆栽を楽しんでいたりするという話。
「今年の夏はね、岩手の山でキャンプして釣りをやるんだ。」
私は、「好きなことが思う存分できて、今が一番楽しいんじゃないですか?」と尋ねた。
おじいさんから返ってきた言葉は、「それがね、好きなことできるようになって面白いかというとそうじゃなくて、人生って意外につまらないものなんだって最近思うんですよ。」
話の中で何度か口にされていた。
私は、「好きなことが思う存分できて、今が一番楽しいんじゃないですか?」と尋ねた。
おじいさんから返ってきた言葉は、「それがね、好きなことできるようになって面白いかというとそうじゃなくて、人生って意外につまらないものなんだって最近思うんですよ。」
話の中で何度か口にされていた。
「人生ってつまらないもの。」
私、その言葉がとっても気になった。
私、その言葉がとっても気になった。
そのときに思いつきで、河合隼雄さんの『中年クライシス』って本を読んでみてくださいって薦めてみた。
おじいさんは中年ではないけれど、何か直面しているものがはっきり見えるんじゃないかな、と思って。
それか、谷崎潤一郎の『鍵』や『瘋癲老人日記』なんかを薦めたほうがよかったのかしらん?
そのおじいさんは最後に、今、二科展に作品を出していると言っていた。
「今回は賞を取れると思う。」という言葉に傲慢さは感じられず、清々しい確信みたいなものに聞こえた。
「もし賞を取って展示されることになったらお知らせしますよ。」と言ってくれた。
きっと良い知らせが届くんじゃないかな、と思う。
おじいさんは中年ではないけれど、何か直面しているものがはっきり見えるんじゃないかな、と思って。
それか、谷崎潤一郎の『鍵』や『瘋癲老人日記』なんかを薦めたほうがよかったのかしらん?
そのおじいさんは最後に、今、二科展に作品を出していると言っていた。
「今回は賞を取れると思う。」という言葉に傲慢さは感じられず、清々しい確信みたいなものに聞こえた。
「もし賞を取って展示されることになったらお知らせしますよ。」と言ってくれた。
きっと良い知らせが届くんじゃないかな、と思う。
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