2013年6月10日月曜日

フランスの革命と身体

今日、東京日仏学院の講演に行ってきました。
フランスの、マギー・マランというコンテンポラリーダンスの作家の公演が近日中にあるので、それに伴ってのレクチャーです。

『フランスにおけるコンテンポラリー・ダンスの変遷』 
ジャン=マルク・アドルフ

パリの劇場やフェスティバルのプログラムディレクターや舞台評論家を経て、現在はアート誌『Mouvement』の編集発行人をされてる方のレクチャーでした。

フランスのコンテンポラリーダンスが、いつどのような過程を経て生まれたのかというお話や、60年代から90年代までを中心に現在までどのように変わっていったのか、というお話・・・。

フランスはよく自由の国だと言われるけれど、その自由は1968年の五月革命の時に民衆が自分達の力で勝ち取ったものなんだ、ってことがアート、その中でもダンスに関わる出来事を通してとてもよくわかりました。

日本の民主主義は、アメリカに押し着せられた表面的なものだってことが、2011年の震災後に明るみになったわけだけど、これからは自分達の手で本当の民主主義の国をつくっていくのが、今の世代を生きるわたしたちの仕事なんじゃないか、と確認させられた思いでした。
五月革命ってお手本があるじゃないか・・・って。他の国にできたんだから不可能じゃないはず。(そのままお手本に出来るわけじゃないと思うけど、参考に出来ると思う。そう考えると、今までの日本の革命は、例えば安保闘争や全共闘については、成功しなかったわけだけど、失敗から学ぶこともたくさんあると思うので、ぜひその時代を生きた先輩達のお話会のようなものも、ゴールデン街あたりで開催したいな、と思いました。)

フランスの五月革命は、ちょうどフロイトやウィルヘルム・ライヒなんかが流行った時で、革命の中心にあった思想が “性の解放” だったらしいのだけど、「作品を通じて社会における身体の解放、社会体を解放する力をもっている」ダンスは、その革命の中で、フランス社会の中での地位や、国からの経済的な支援を獲得していったんだって。

フランスでは、政治とアートは一緒に成長していったんですね。

フランスは国のアーティストへの支援制度が確立されてて....っていうのも、アーティストが積極的に政治に関わることで築いていったものだ、ということです。(村上隆さん的な戦略も興味深いですが、今の時代の静かなる革命の雰囲気とはちょっと別な感じ。)

来週、埼玉の劇場で公演するマギー・マランという作家が創る作品も、政治的な意識のとても高いものみたいで、どんな作品なのかとても興味があるので、観に行ってみようと思います。

明日も、同じジャン=マルク・アドルフの『芸術と政治ーマギー・マランに見るアーティストの政治意識』というレクチャーに行ってきます☆